薬局内研修
貼付薬
15:00~15:30 演者:局内薬剤師
1、貼付薬には、局所作用を目的とした貼付剤と、全身作用を目的とした経皮吸収型製剤がある。
2、貼付剤はテープ剤とパップ剤に分類され、各々以下の特徴がある。使用部位への直接的な効果を目的とされており、全身性の副作用が少ない。
・テープ剤 水を含まない基材が用いられ、薄くて伸縮性がある。粘着性が強く、可動部位の貼付に適する。
・パップ剤 水を含む基材が用いられ、水分の気化熱により貼付時に冷たく感じ、厚みがある。水分の配合量が多く、冷却効果も期待できる。
3、経皮吸収型製剤は、貼付部位やその周辺だけでなく、全身への作用を期待する。持続的な効果が得られ、副作用の軽減が期待できる。
・マトリックス型 半固形または固形の薬物含有層(マトリックス)が薬物の拡散性を調整することで、薬物の放出を制御している。製剤構造が単純で、面積による用量調整が可能なものが多い。例外的に切って使わないようメーカーが勧めているものに、デュロテップパッチ・ニュープロパッチ・イクセロン/リバスタッチパッチなどがある。
・リザーバー型 液体またはゲル状の薬物含有層が、支持体と放出制御膜で覆われた貯留層(リザーバー)となっており、リザーバーに含まれる薬物は放出制御膜により制御される。そのため、切って使うことはできない。リザーバー型にはニトロダームTTSやニコチネルTTS等がある。
4、貼り薬の服薬支援には以下の注意点がある。
・貼付する部位は清潔に。
・貼りかえる時は場所を変える。
・皮膚のバリア機能が低下していると副作用として皮膚症状が発現しやすくなるため、保湿剤を使って皮膚表面角質の水分量を保つことで皮膚症状の発生を抑える。