薬局内研修
ドライアイ診療ガイドライン
14:30~15:15 演者:局内薬剤師
1、ドライアイの定義は以下の通りである。
ドライアイは、様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある。
2006年の診断基準においては、涙液異常、角結膜上皮障害およびドライアイ症状の3つを満たしてドライアイ確定例と診断することが定められた。ところが、 角結膜上皮障害がなくても涙液層の安定性低下を持つだけで、重症の涙液減少型ドライアイと同程度の症状をもつドライアイ患者群が存在することがわかってきた。
2、ドライアイの診断基準は以下の通りである。
「眼不快感、視機能異常などの自覚症状」「涙液層破壊時間が5秒以下」の2つを満たすものがドライアイと診断される。
旧診断基準に含まれていた、涙液分泌量試験や角結膜上皮の染色体試験が診断基準から省かれた。
3、ドライアイの病型は以下の3つに分類されている。
涙液減少型ドライアイ
蒸発亢進型ドライアイ
水濡れ性(角結膜上皮の親水性)低下型ドライアイ 涙液層破壊時間短縮型ドライアイの一型。ムチン層が不足していると言われている。
4、ドライアイの悪化要因として、「女性」「加齢」「コンタクト装用」「長時間のVDT作業」があげられている。
5、ドライアイの薬物治療の特徴は以下の通りである。
人工涙液:涙液水層の補充を目的としているが、数分程度で眼外に排出されてしまう。
ヒアルロン酸製剤:保水効果と角結膜上皮の修復作用があり、最も広く用いられている。
ジクアス:角膜上皮からの水分産生と杯細胞からのムチン産生を促す。
ムコスタ:ムチンを産生する杯細胞を増やすとともに各結膜上皮の保護、抗炎症作用を持つ。
6、ヒアルロン酸製剤は0.1%、0.3%に効果の差はなく、高濃度の方が効果的とは言えない。