薬局内研修
片頭痛
14:30~15:00 演者:局内薬剤師
1,頭痛は以下に分類される。
・一次性頭痛:1年以上にわたり持続・反復する頭痛
緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛
・二次性頭痛:器質的疾患に伴い起こる頭痛
脳出血、脳腫瘍、感染症、外傷
・その他の頭痛:有痛性脳神経ニューロパチーや顔面痛など
・群発頭痛:極めて強い
3,片頭痛の予兆と前兆は以下の通りである。
・予兆期(発作の数時間前から2日前):疲労感、集中困難、頸部のこり、光・音に対する過敏性、あくびなど
・前兆期(発作直前または発作中): 視覚性前兆(閃輝暗点)、感覚障害(チクチク感、感覚鈍麻)、言語障害(失語性)
4,片頭痛の誘発因子には以下などがある。
・ストレスからの解放
・女性ホルモンの変化 生理前、生理中
・人込み、騒音、光などの物理的刺激
・飲食物(血管作動作用の有するもの)
血管拡張作用:アルコール、亜硝酸化合物(ソーセージなど)、赤ワイン
血管収縮・拡張作用:チラミン(チーズ・チョコレートなど)カフェイン
5,片頭痛治療は以下の通りである。
1)急性期
・軽度~中等度 解熱鎮痛剤
カフェインは単独で眠気や疲労、集中力低下などの随伴症状を改善し、併用により鎮痛剤の薬効を増強するなどの有用性がある。
・中等度~重度 トリプタン系薬剤
即効性:スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン
持続性:ナラトリプタン(アマージ)
トリプタン系で頻回に頭痛再燃のある場合に、エルゴタミン/カフェイン合剤(クリアミン)が処方される。
2)予防薬 片頭痛発作が月6日以上
・Ca拮抗薬:ロメリジン、ベラパミル※
・抗てんかん薬:バルプロ酸Na
・β遮断薬:プロプラノロール
・三環系抗うつ薬:アミトリプチリン※
・フェノチアジン誘導体:ミグリステン
・その他
※適応外
3)妊婦・授乳婦 妊娠中は発作が減る方が多い。
・急性期 アセトアミノフェン
・予防 どうしても必要な場合にβ遮断薬
6,薬物乱用性頭痛は薬を1か月に15日以上を3か月以上服用することにより起きる頭痛である。