健康応援コラム
不眠治療―薬より大事なことー
不眠症になった方の治療法として、睡眠薬を服用するより不眠を悪化させている習慣や考え方を変えていくようにする「認知行動療法」から始める方が効果が高いことを、東大などの研究チームが報告しました。〈令和6年8月27日精神神経学会学術誌オンライン版〉
不眠症に悩む方は多く、日本人の30~40%とも言われています。日本では睡眠薬による薬物療法が行われていますが、欧米では認知行動療法が優先されています。
認知行動療法とは、睡眠に対する思い込みを捨て、物事の受け止め方や生活習慣を変えることで、不眠症状を改善する方法です。薬の処方にくらべて手間がかかりますが、副作用が少ないという利点もあります。認知行動療法が、広く行われるようになることが期待されています。
〈不眠症の認知行動療法の一例〉
・「8時間は寝る必要がある」という思い込みを捨てる。
・「少しでも長く眠ろうとして、実際眠れる時間より長い時間をベッドで過ごしている」→ベッドで過ごす時間を短くする。
・睡眠時間、ベッドの上にいた時間、睡眠状態と日中に生じる支障(倦怠感等)を記録する。