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薬局内研修

ケレンディア

研修日時:令和6年4月9日火曜日12:30~13:00

 

 

1,非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬の1つ

同じ分類の薬にはセララ、ミネブロ、アルダクトンがあるが、2型糖尿病を合併する慢性腎不全の適応を持つのはケレンディアのみ。

 

 

2,ACE/ARBとの併用で心血管・腎イベントの抑制が期待できる。

 

 

3,ACE/ARBに追加投与することで、心血管複合エンドポイント(心血管死・心筋梗塞・心不全による入院)、腎複合エンドポイント(腎不全の発症)のどちらにおいても有意にリスク低下がみられた(FIDELITY解析)

 

 

4,主な副作用には高カリウム血症(8.8%)がある。投与開始、再開または増量のタイミングから4週間後に血清カリウム値およびeGFRの測定が必要。その後も定期的に1~3か月に1回カリウム値の測定を行い、用量調節をする。

 

 

5,血清K値が5.5以下(原則4.8以下)から開始。

開始用量はeGFR:60以上で20mg~、eGFR:60未満で10mg~開始。

 4週間後に血清K値が4.8以下であれば20mgはそのまま、10mgは20mgに増量。

 4.8~5.5であれば開始用量を維持、5.5以上で中止。その後5.0以下に下がった場合は10mgで投与再開可能。

 

 

6,CKDステージG3aでACE/ARBでコントロール不良の患者が投与の対象となりえる。

末期腎不全or 透析患者は対象外。eGFR25未満の患者にはデータないため基本的に対象外。

 

 

7,10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されてないため、20mgを投与する際に10mg2錠に使用しないこと。

 

 

8,CYP3A4により代謝されるため、併用禁忌あり(クラリスやゾコーバ)、グレープフルーツジュースも併用注意。

【禁忌】

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

・イトラコナゾール、リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド) 、アタザナビル(レイアタッツ)、ダルナビル(プリジスタ、プリジスタナイーブ)、ホスアンプレナビル(レクシヴァ)、コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、スタリビルド、シムツーザ、プレジコビックス)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、エンシトレルビル(ゾコーバ)

・投与開始時に血清カリウム値が5.5mEq/L以上の患者

・重度の肝機能障害のある患者

・アジソン病の患者

 

 

9,降圧作用に基づくめまい等の可能性あり→高所作業・運転に注意の記載あり。

あなたの健康の役に立ちたい。