薬局内研修
乳癌遺伝子検査について
15:00~15:30 演者:局内薬剤師
1,BRCA遺伝子は誰もがもっている遺伝子の一つで、DNAの傷を修復して、細胞ががん化するのを抑える働きがある。HBOC(遺伝性乳癌卵巣癌症候群)の方はBRCA遺伝子に病的な変異があり、働きが失われており、乳がんや卵巣がんになりやすいと考えられている。
2,2020年4月よりBRCA遺伝子を調べる検査が保険適応となった。対象は乳癌、卵巣がん、膵がん、前立腺がんである。PARP阻害薬が有効かどうかもわかる。
3,HBOC診療手引きには、以下条件を満たす患者に対し検査を推奨している。
・乳がんを発症しており、以下のいずれかに当てはまる
・45歳以下の乳がん発症
・60歳以下のトリプルネガティブ乳がん発症
・2個以上の原発性乳がん発症
・男性乳がんを発症
・卵巣がん、卵管がん、および腹膜がんを発症している
4,HBOC診断の主なメリットは以下の通りである。
・今後の発がんリスクを見極められる。(血縁者も)
・治療薬の選択が変わる。PARP阻害薬、プラチナ系抗腫瘍