薬局内研修
ワーファリンの弱点
研修日時 令和4年2月12日15:30~16:00
1,日本人ではINR2.5を超えると頭蓋内出血が増加してしまう。また、INR1.5を下回ると脳梗塞予防効果が期待できない。そのため、ワーファリンは日本人には使いにくいとも言われている。
2,日本人の心房細動患者さんに対しワーファリン治療を行っても、脳卒中の発生頻度が減らせなかったという実地医家での報告もある。
3,日本循環器学会の心房細動治療ガイドライン2013には、同等レベルの適応がある場合、新規経口凝固薬DOACがワーファリンより望ましいと記載されている。
4,新規抗凝固薬DOACの特徴は以下の通りである。
・標的因子はダビガトランがトロンビン、リバーロキサバン・アピキサバン・エドキサバンが第Xa因子である。
・半減期はいづれの薬剤も12時間程度であるが、投与回数はダビガトラン・アピキサバンは1日2回、リバーロキサバン・エドキサバンは1日1回である。
・ダビガトランの排泄は腎が80%と高い。
5,新規抗凝固薬DOACに関する課題は以下の通りである。
・アドヒアランス
・ポリファーマシー 10種類以上薬を飲んでいる方に抗凝固療法を行うと、5種類未満の方に比べて死亡率が2倍になると報告されている。大出血も10種類以上薬を飲んでいる方は、5種類未満の方に比べて2倍の頻度で起きていると報告されている。
・超高齢者に対する抗凝固療法の拡大
・腎機能低下患者(Ccr30ml/min未満)に対する処方
・不適切減量
・周術期の管理
・消化管出血