健康応援コラム
高齢者便秘の対策
便秘と言うと女性に多いイメージですが、年を重ねると男性にも増えてきます。日本人の便秘で悩む方の調査(厚生労働省 令和元年・国民生活基礎調査)によると、75歳以降では、男女ほぼ同じ人数になります。高齢になると男性の便秘が増えるのは何故なのでしょうか?
食べ物は消化管で吸収された後に、大腸にたどり着きます。大腸では、筋肉が働くことにより、肛門へと運ばれています。高齢の方に多い便秘は腸の筋肉が緩み、運ぶのに時間がかかることが原因で、「弛緩性便秘」と呼ばれています。
[高齢の方が便秘になりやすい理由]
・食事の量が少ない:便は食べたもので作られます。食べる量が減ると、便が溜まりにくくなります。
・運動不足:適度な運動をすることで、大腸が便を肛門へと押し出す運動が促されます。
・筋力低下:便を押し出す力が弱まり、出せないでいると硬くなり、より出し難くなります。
・水分を飲む量が少ない:加齢とともに、のどの渇きを感じる機能が低下します。水分量が減ると、便が硬くなり便秘がちになってしまいます。
[便秘の対策]
・ウォーキング:便秘対策として、ウォーキングがお勧めです。運動により食欲も増す方が多く、筋力低下防止にも役立つでしょう。
・こまめな水分補給:1度に大量に飲む必要はありません。
[毎日排便しないと便秘は誤解]
食べた物が便になるのにどのくらいの時間がかかるかご存じでしょうか。20時間から70時間と言われています。1週間に3回排便があれば、腸は動いており便秘とはかぎりません。